元興寺(奈良市中院町)を参拝しました
先月の奈良旅で、「古都奈良の文化財」として世界文化遺産に登録されている元興寺(真言律宗)を訪れました。
元興寺は場所(入り口)がわかりにくく、少し迷ってしまいました。
ようやく見つけ、拝観受付へ。東側が入り口なのですね。
拝観料を納め、東門から境内へ。こちらの東門は重要文化財です。
受付でいただいたパンフレットに元興寺についての歴史が記されていて、それを読むと、元興寺の歴史の深さやいかに重要なお寺であったかがわかります。
ここでは詳細は省略しますが、
・元々は飛鳥に蘇我氏が建立したお寺(法興寺(または飛鳥寺という)(588年建立着手))で、奈良に都が移された際(和銅3年(710))、そのお寺も移され(養老2年(718))、元興寺と寺名が改められた
・飛鳥寺はそのまま飛鳥に残された
ということです。
東大寺の大仏が完成したのが、天平勝宝4年(752)ですから、それよりももっと古い歴史のあるお寺です。
東門から境内に入ると、正面に極楽堂と呼ばれる国宝の本堂があります。
ご本尊は智光曼荼羅。
国宝ですが、靴を脱いで中へ入らせていただくことができました。
さらに本堂の後ろ側が禅室です。こちらも国宝です。
本堂と禅室の一部の瓦は、元々飛鳥にあったお寺から運びこまれた日本最初の瓦で、それが今でも使われているそうです。
境内に「屋根瓦のビューポイント」が設けられ、そこから少しズームして撮影した写真が下の写真です。
黒っぽい瓦が飛鳥時代から使われている古代瓦なのだそうです。
そして、行基葺き(ぎょうきぶき)という有名な瓦の葺き方がされています。左側の建物は禅室ですが、禅室の右と左で瓦の並べ方の感じが違っています。
右が行基葺き、左が本瓦葺きです。
境内にはたくさんの石塔がありました。ここは浮図田(ふとでん)といい、「浮図」とは「仏陀」のことなのだそうです。
獅子国型仏足石
獅子国とはスリランカ国のこと。元興寺はスリランカ国とのご縁があり、開眼されたそうです。
また、「法輪館」という収蔵庫があるのですが、別料金は必要なかったので気軽に入ったのですが、こちらも凄かったです。国宝の五重小塔など、貴重なものが展示されていてじっくりと時間をかけて拝見しました。
本堂と禅室の北側にまわると、建物に沿ってたくさんの萩が植えられていました。この時は萩の季節ではなかったので残念でしたが、花が咲く季節はさぞ綺麗でしょう。
萩のほかにも、たくさんのお花や木が楽しめます。
北門から続く金木犀。
かりんもありました。「頭上に注意してください」と注意書きがありました。かりんが落ちてくるようです。
柿もたくさんよい色になっていました。
名前はわからないのですが、綺麗なお花がたくさん咲いていました。
移転された当時はもっと広大な境内で大伽藍が建ち並んでいたようですが、のちに現在の規模になってしまい、現在は本堂極楽堂や禅室の僧房遺構は史跡に指定されています。(現在の境内外の東大塔跡、西小塔院跡も史跡に指定されています。)
国宝などの建物や収蔵品なども感動しますが、境内全体の雰囲気も素晴らしく、何か穏やかな気持ちになれるのは、古代から続く歴史なのでしょうか。また再訪して、再度時間をかけてじっくりと拝観させていただきたいと思います。