LIFE LOG(小さな幸せ気分)

小さな幸せ気分

~心穏やかな毎日とシンプル、丁寧な日常の風景~

キトラ古墳壁画体験館 四神の館(奈良県明日香村)~国宝指定されたキトラ古墳壁画を見学~

 

2019年7月23日に正式に国宝となった「キトラ古墳壁画」。

12回目の「キトラ古墳壁画の公開」が行われていた「国営飛鳥歴史公園 キトラ古墳周辺地区」を訪れ、国宝になったばかりの壁画を観賞しました。

キトラ古墳とは?

キトラ古墳がある場所は、奈良県高市郡明日香村。

近鉄吉野線 壷阪山駅から徒歩15分の場所です。(近鉄飛鳥駅からは奈良交通のバス(飛鳥キトラ線)がありますが、1日に5本と少ないです。)

キトラ古墳は7世紀末~8世紀初頭頃の飛鳥時代に造られたとされる円墳です。

石室の内部に四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)や十二支、天文図などの壁画が描かれている壁画古墳で、日本で発見された壁画古墳は高松塚古墳に次いで2例目です。

高松塚古墳では、壁画の一部が盗掘により失われているため、四神すべて揃っているのはキトラ古墳だけなのだそうです。

壁画が発見されたのは、1986年の盗掘穴からのファイバースコープによる調査で、北壁の「玄武」が確認されました。

1998年に東壁の青龍・西壁の白虎・天井の天文図が、2001年に南壁の朱雀と十二支像が発見されています。

今回、国宝に指定されたのは、東壁・西壁・南壁・北壁・天井の計5面の壁画です。

 

気になる被葬者ですが、石室内から一部の人骨が見つかり、50~60代の男性とわかりましたが、人物を特定はできていないそうです。

ただ、副葬品などからかなり身分の高い人物ということです。

 

上から見ると、こんな古墳のようです。(地階展示室内の映像を撮影)

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現在のキトラ古墳

現在は全て発掘調査は終了していて、古墳は埋め戻され、特別史跡として整備されています。

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中央の山が古墳ですが、これ以上近付くことはできません。

 

周辺は綺麗に整備されています。

中央の山になっている部分が古墳です。

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国営飛鳥歴史公園 キトラ古墳周辺地区

キトラ古墳とその周辺は、明日香村内の「高松塚周辺地区」・「キトラ古墳周辺地区」・「甘樫丘地区」・「石舞台地区」・「祝戸地区」の5地区からなる国営飛鳥歴史公園として整備されています。

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キトラ古墳周辺地区には、キトラ古墳のほかに、「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」や「四神の広場」などがあります。

この国営飛鳥歴史公園国土交通省の管轄です。

そういえば、四神の館を出たところで「国土交通省ですが、アンケートお願いできますか?」と言われ、国土交通省?と思ったのですが、そういう理由だったのですね。後になってわかりました。

キトラ古墳壁画の公開

壁画の公開は、年4回ほど期間限定で行われていて、今回で12回目です。

第1回目の公開は、天井(天文図他)と南壁(朱雀他)と西壁(白虎他)が公開されていますが、それ以降現在までは、ほとんど一壁づつの公開です。

今回の第12回は、2019年7月20日から8月18日までの期間で、南壁の「朱雀」が公開されています。

事前の申し込みが必要なのですが、空きがあれば当日でも受付していただけます。

事前の申し込み状況が文化庁のホームページから確認できますので、事前に申し込みしていない場合は、そちらで空き状況を確認してから行った方が確実かと思われます。

キトラ古墳壁画の公開は「文化庁」と「奈良文化財研究所」が主催しています。)

事前の申し込みでもそうですが、当日の受付でも、氏名や住所等の記入は必要です。

キトラ古墳壁画体験館 四神の館

キトラ古墳の隣にある「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」は2016年にオープンしています。

壁画の公開は「キトラ古墳壁画保存管理施設(四神の館内)」で行われるのですが、場所が若干わかりにくいです。

キトラ古墳の隣の建物が公開場所だと思い、そこへ行ってみると、「壁画の公開は地階へ行ってください」のような案内板があり、地階?と思いつつ、書かれていた階段を下りていくと、そこが「四神の館」で、その1階部分が「キトラ古墳壁画保存管理施設」となっているようです。

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写真左上の建物が「四神の館」ですが、その下の柱が数本立っている建物が出入口になります。

右側に映っている階段を上がると駐車場とバス停があります。

 

「四神の館」の出入り口付近です。前には「四神の広場」が広がっています。

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「四神の広場」

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国宝 南壁「朱雀」見学

事前申し込みはしていませんでしたが、その日は定員に達していなかったようで当日でも受付していただけました。

指定の時間まで、地階展示室を見学することができます。

事前申し込みするときは、希望時間が1時間15分ずつ区切られているのですが、1時間15分の中で、さらにいくつかの少人数のグループ単位で入室するようになっています。

 

指定時間になると、1階へ行くように案内があり、階段を上がっていくと展示室があり、そこが「キトラ古墳壁画保存管理施設」の展示室らしいです。

暫く展示室前で映像を見ながら待機します。

この時は10名ほどのグループでした。

 

そして係の方(警備員さん)の指示に従って、いよいよ入室です。

展示室は思ったより狭いのですが、照度を落とした室内の中央にガラスで区切られた場所があり、そこに「朱雀」が展示されていました。

その両側には、「朱雀」に関する説明資料や出土品が展示されています。

1000年以上前に描かれた「朱雀」をじっくりと見学しました。

もちろん撮影は禁止です。

 思っていたより小さめ、ですが、石室に描かれていたのだから大きくはないですよね。

 

壁画は、石室を組み立てた後に、狭い石室内で描かれたそうです。(地階展示室内の映像を撮影)

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天井の天文図を描いている映像ですが、きっと書きにくかっただろうと思います。

  

見学者の人数が少ないので、我先に、とか押し合いながら、という感じは全くなく、ゆったり見学できました。

この位の大きさの展示室に程良い人数だったと思います。

最大で1グループが何人なのかは定かではありませんが、1日の定員が決まっているので1グループの人数が多くならないよう、調整しているのだと思います。

 

見学時間は10分です。

最初は短いな、と思ったのですが、展示量からすると短すぎることはなかったと思います。それぞれの説明もしっかりと読むこともできました。

地階展示室

壁画の展示室から出ると、アンケートをお願いされますが、サッと記入して、地階展示室へ行きました。

時間指定ですが、団体行動はこの壁画の展示室での見学の時だけで、あとは自由です。そのまま帰ってもよし、地階展示室を見学してもよし、シアターで映像を見るのもよし、です。

 

地階展示室の入り口付近から撮影しました。

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この展示室は撮影OKなのが嬉しいところです。

入口の左側部分に原寸大の石室内部の模型が展示されています。

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手前にある石は、石室を最後に閉じるための石、閉塞石ですが、これが南壁にあたり、今回公開された「朱雀」が描かれています。

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上部に赤い「朱雀」が描かれています。

下部には十二支の巳・午・未が描かれていて、上の写真で、斜めに線が入っている、その中央あたりに牛像が描かれているようです。

未は泥に覆われて残っていないそうですが、牛は覆われていた泥の層に顔料が移り、鏡像として現在見ることができるそうです。

残念ながら、この部分は非常に脆いため、公開はされていないそうです。

また、巳は泥の下に図が残っている可能性があるということです。

 

石室の内部です。

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石室は、奥行2.4m、幅1.0m、高さ1.2mで、正面(北壁)に「玄武」、向って右(東壁)に「青龍」、向って左(西壁)に「白虎」とそれぞれ3体ずつの十二支が描かれています。

天井には天文図と金箔で太陽が、銀箔で月が描かれていて、天文図は現存する世界最古の科学的な天文図なのだそうです。

なかなか壁画がわかりにくいですが、古墳を作る過程がドキュメンタリー風の映像として流されていて、そこにわかりやすい映像がありました。

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 こんな感じに、上部に四神、下部に十二支が描かれています。

 

今回実物を見学した「朱雀」の解説パネルです。

「朱雀」のサイズは横が39.2㎝、縦が15.0㎝です。

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大型のスクリーンが4台設置され、四神それぞれの映像が流れています。

こちらは「白虎」。

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この映像は、四神を実物の大きさから最大の倍率まで徐々に拡大して見せてくれます。

こちらは「朱雀」の実物を23.9倍した映像。

右下に倍率とどの部分かのガイドが表示されています。

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30.3倍の映像。

顔部分がはっきり見え、壁の欠けている部分もわかります。

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最大の108.0倍。

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絵自体は、何が描かれているのかわかりませんが、漆喰で塗られた壁の表面がリアルにわかります。

 

スクリーンの上には天井に描かれていた天文図。

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赤道や黄道も描かれていたそうです。

太陽と月もありますね。

 

 

四神の広場を駐車場側から撮影。 

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キトラ古墳へは近鉄壷坂山駅から歩いて行ったのですが、この辺りは、のどかな風景が広がる気持ちの良い場所でした。

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