2019年再びの京都 vol.2 ~世界文化遺産 平等院~
宇治市にある平等院。永承7年(1052)、関白藤原頼道によって創建されました。「古都京都の文化財」の一つとして世界文化遺産に登録されています。
実のところ、平等院はあまり興味がなく、今まで宇治に来ても素通りでした。
貴族がお金を使って贅沢に建てたもの、とだけ思っていたからです。10円玉の図柄にもなっているのに、こんな認識でした。(拝観後はこの認識がひっくり返ることになります。)
ところが京都へ行く前、何気に平等院のホームページを見たら、すごい国宝がたくさんあるとわかり(今更でお恥ずかしいです(笑))、また羅漢堂の開扉も始まったということで、これはぜひ行かなければ、と思ったのです(ホームページを見て良かったです)。
拝観料は600円。鳳凰堂をお庭側から見ることとミュージアム鳳翔館(博物館)へ入ることができます。
鳳凰堂の内部拝観は、別途志納金として300円納めます。
この鳳凰堂内部拝観は、20分毎、50名ずつで時間指定ですが、係の方から説明を聞くことができますので、すぐに受付をしました。
時間までは、お庭から鳳凰堂を拝観します。
国宝の鳳凰堂です。
鳳凰堂は正式には阿弥陀堂といいますが、平等院創建の翌年、天喜元年(1053)に建てられ、極楽浄土の宮殿をイメージしているそうです。
正面から見ると鳥の翼のように見えること、屋根に一対の鳳凰があることから鳳凰堂と呼ばれています。
現在屋根にあるのは二代目の鳳凰。一代目の鳳凰(国宝)はミュージアム鳳翔館で見ることができました。現在の鳳凰をアップで撮ってみました。
鳳凰の下の屋根には、龍頭瓦が載せられています。
こちらも二代目で、一代目はミュージアム鳳翔館で見ることができました。
龍と鳳凰が共に用いられるのは、至福や吉祥だけでなく、永久の繁栄も表しているそうです。
そして内部拝観の時間になり、注意事項を聞いた後、いよいよ内部へ。
靴を脱いでの拝観です。
内部は写真撮影禁止で写真がないのが残念ですが、どこをみても国宝だらけでした。
阿弥陀如来坐像、天蓋、雲中供養菩薩像、鳳凰堂中堂壁扉画、鳳凰堂堂内彩色
全部国宝です。もう、口をアングリ・・・するしかないです(笑)。
色がほとんどなくなってしまっているのですが、極彩色に彩られていた当時はどれほど素晴らしかったのだろうと思います。
御本尊の阿弥陀如来坐像(国宝)は、平安時代後期の天喜元年(1053)に納められました。
仏師定朝(じょうちょう)の作です。確実に定朝が彫ったとわかる仏像は、現存する中では、こちらの阿弥陀如来坐像だけなのだそうです。
壁に目を向けると、雲中供養菩薩像(うんちゅうくようぼさつぞう)。
全部で52躯ですが(楽器を持っていたり、踊っていたり、合掌していたりします)、そのうち26躯は鳳翔館に展示されていて、鳳凰堂の元の場所にはレプリカが置かれています。レプリカといっても本物と区別がつかないくらい精巧ですが・・・。
あまりに素晴らしかったので、ミュージアムショップでポストカードを数枚購入し、一部を撮影してみました。
別に料金が必要なことと、時間が決まっているということで、内部拝観は止める人もいるようですが、それはもったいないです。
初めて平等院を訪れたのなら、内部拝観は絶対(お金を払っても)行った方が良いです。説明もしていただけるし、間近で拝観できるので、お庭からではわからないものがたくさんあり、違った見方ができるようになると思います。
(ただし、2019年5月13日~11月15日まで(予定)、内部の修理のため、内部拝観は停止するそうです。この日も堂内には足場が設置されていました。詳しいことは平等院のホームページで確認が必要です。)
後世に大事な文化財を残すためですから仕方ありません。今までも修理されてきたから、今日こうして拝観できるのですね。
お庭から鳳凰堂を見ると、正面が丸く開いています。
この窓から、ちょど阿弥陀如来のお顔が見えるようになっています。
ズームして撮影してみました。
鳳凰堂は東を向いて建てられています。
鳳凰堂の屋根越しに沈む美しい夕日のポストカードがミュージアムショップにありました。
こんな情景も実際に見てみたいです。
梵鐘も国宝ですが、本物は鳳翔館に展示されていて、こちらは二代目です。
たくさんの絵や模様が描かれていて、こちらにも上の部分に龍がいます。
ミュージアム鳳翔館では、2019年3月16日~5月24日まで「天皇陛下御在位30年・天皇陛下御退位・皇太子殿下御即位奉賀」の特別展が開催されています。
鳳凰は、徳の高い天子の登場をお祝いするため天上から舞い降りてきたとされる瑞鳥なので、そのゆかりで今回の特別展となったようです。
余談ですが、平等院のホームページに「まさに「景星鳳凰」の展覧会を開催して新たな喜ばしい時代の到来を言祝ぎたいと思います。」とあったのですが、「言祝ぐ(ことほぐ)」って良い言葉ですね。美しい日本語だなあ、と思いました。
この鳳翔館に入ると映像が流れているのですが、この映像がとても良かったです。平等院のことや鳳凰堂のことが説明されているのですが、特にナレーションがとても感動的でした。
パンフレットやミュージアムショップに売られていた本にその内容が書かれていないか探したのですが、残念なことにありませんでした。写真撮影禁止で覚えるしかなかったのですが、無理でした(笑)。
雲中供養菩薩像の説明で、阿弥陀如来が菩薩を従えて死者を迎えに来る時、死者を称えるために舞い踊る、というようなことなどが、もっと感動的に語られていました。
このミュージアム鳳翔館も必見です。
ミュージアム鳳翔館を出ると、浄土院があります。
向って左側で御朱印をいただくことができます。
そして、向って右手側に開扉中の羅漢堂があります。
こちらを拝観する方は多くはなかったのですが、お参りさせていただき、内部をじっくり拝観させていただきました。
開扉は2019年3月16日~6月中旬くらい(梅雨入りまで)とのことです。
こちらの最勝院の本堂 不動堂です。
木瓜(ぼけ)が綺麗でした。
こちらの最勝院でも御朱印がいただけます。
ミュージアムショップを出たところに、仏教関連の冊子がありました。
係の方に伺ったところいただけるとのことでしたので、いただいてきました。
知らないことがたくさんあるので、これで少し勉強したいと思います(笑)。
見どころたくさんの素晴らしい平等院でした。
これほどとは思っていなかったので、来て良かったです。