【西国三十三所観音巡礼】第九番札所 興福寺 南円堂~御開帳中の御本尊を参拝しました~
西国三十三所 第九番札所 興福寺 南円堂(こうふくじ なんえんどう)を参拝しました。
興福寺は中金堂、東金堂、五重塔などたくさんのお堂や塔が建ち並ぶお寺ですが、西国三十三所の札所は南円堂になり、こちらに札所本尊の不空羂索観世音菩薩像が安置されています。
南円堂では毎年10月17日に「大般若経転読会(だいはんにゃきょうてんどくえ)」が営まれ、この日だけ御開扉されるのですが、今年は10月17日から11月10まで、興福寺国宝特別公開2019として「南円堂・北円堂同時開扉」が行われていました。
10月17日には拝観できなかったものの、同時開扉期間中に訪れることができ、札所の御本尊を間近で拝観することができました。
北円堂についてはこちらにまとめています。
ippo-kokoroodayaka.hatenablog.com
興福寺
宗派 : 法相宗
御本尊 : 釈迦如来
開基 : 藤原不比等
開創年 : 天智天皇8年(669年)
開門時間: 9:00~17:00(入館は16:45まで)
南円堂
西国三十三所札所の南円堂は、弘仁4年(813)、藤原冬嗣が父(内麻呂)の冥福を願って建立した八角円堂です。
春の日は 南円堂に かがやきて 三笠の山に 晴るるうす雲
現在のお堂は寛政元年(1789)頃に再建された4代目のお堂で、重要文化財に指定されています。
南円堂の正面上部です。扁額にご詠歌が掲げられています。
普段は南円堂外側から参拝させていただくのですが、今回は御開扉のため、南円堂向って左側から入らせていただきました。
初めて入るので、ドキドキしてしまいました。
お堂の中へ入ると、御本尊「木造 不空羂索観音菩薩(ふくうけんさくかんのんぼさつ)坐像(国宝)」の横の姿が見えます。
鎌倉時代の文治5年(1189)に完成し、運慶の父・康慶が制作しています。
坐像ですが、像高は336cmという高さです。大きさに驚きます。
眉間に一目を加え、三目八臂で、第4手の左手に羂索を持ちます。
この羂索で人々の願いを空しいものにしないという請願をたてられているのだそうです。
御本尊の周囲には、康慶作の「木造 法相六祖(ほっそうろくそ)坐像(国宝)」と「木造 四天王立像(国宝)」が安置されています。
北円堂も全て国宝でしたが、こちらも仏像は全て国宝という素晴らしい空間です。
「法相六祖坐像」の法相六祖とは、法相宗の興隆に貢献のあった僧なのだそうです。
その中に玄賓(げんぴん)さんという方がおられます。
どこかでお名前を見たような・・・と思い、よく考えたら以前に奈良県桜井市の大神神社を参拝した時に、近くに「玄賓庵」というお寺があり、訪れたことを思い出しました。その玄賓さんらしいのです。
玄賓庵を訪れた時は知らなかったのですが、ここでご縁をいただき、何か不思議な感じがしました。
「四天王立像」は、平成29年から中金堂の四天王像と入れ替わって安置されているそうです。つまり、近年の研究により以前中金堂に安置されていた四天王像が本来は南円堂に安置されていたとわかり、南円堂へお還りになり、それまで南円堂に安置されていた四天王像は現在は中金堂に安置されているのだそうです。
四方を守護しているだけあって、とても力強い四天王像です。
お堂の中をもう一周したい気分でしたが、最後にもう一回だけ御本尊の前でお参りさせていただき、南円堂を後にしました。
南円堂の通常は入ることができない位置から、国宝の三重塔が見えました。
上から見ることは珍しい三重塔を撮影できました。
南円堂の前にキンカン?がたくさんなっていました。
写真では大きく見えますが、実際の大きさはキンカン位でした。
みかんではないと思いますが・・・。
東金堂(国宝)と五重塔(国宝)です。
東金堂は以前に参拝させていただいたので、今回は外側から心の中で合掌し参拝させていただきました。
東金堂も五重塔もいつ見ても美しく、特に五重塔はとても好きな塔のひとつです。
西国三十三所のご朱印は、南円堂前の納経所でいただくことができます。
午後に訪れた時は、こちらの納経所には(東金堂前にも納経所があります)、長蛇の列ができていました。
境内に掲げられていた法句経です。
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