奈良学文化講座に参加しました(その2)
唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡史跡公園
奈良学文化講座、午後の散策講座はいよいよ14時45分頃「唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡史跡公園」へ到着しました。
「唐古・鍵遺跡」とは、奈良盆地のほぼ中央に位置する弥生時代の集落遺跡で、その面積は国内最大級(42万㎡)です。
そのうち唐古池を中心に約10万㎡が国の史跡に指定されました。
2018年には「唐古・鍵遺跡史跡公園」となったそうです。
まずは遺構展示情報館を見学しました。
中央に「弥生の大型建物跡」があります。第74次の発掘調査で発見された大型建物群の柱穴の剥取模型です。
ここは一部の床が透明になっていて、遺構が上から見えるようになっています。
真上から遺構の中が見えるようになっています。
建物の一部でしょうか。木のようなものも見えます。
こちらは集落で行われていた「まつりの風景」の模型です。
向って右側では女性シャーマンが、何か儀式を行っているようです。
奥には動物の生贄?でしょうか・・・(リアルなので、あまりじっくり見ないほうがよいです・・・)
女性シャーマンの鳥の口のような部分が特徴的です。
この時代の人たちの服装や髪形、家、儀式がとても興味深いです。
情報館を出ると、環濠(かんごう)の遺構があります。
唐古・鍵遺跡では何重にも環濠がムラの周りに掘られていたそうです。
史跡公園内の大型建物跡です。
この柱は復元されたものですが、建物跡は紀元前3世紀のもの。
柱はケヤキの木なのだそうですが、太さは弥生時代最大級だとか。
近くで撮ってみました。
ここでも先生から解説があったのですが、その中で、以前何回か講座を受講させていただいたことがある先生のお名前が出てきて驚きました。思いがけずお名前を聞いて何かご縁を感じました。
続いては、実際に見るのを楽しみにしていたこちら。
「楼閣」ですが、発掘された土器にこの楼閣の絵が描かれていて、それをもとに復元したものです。
屋根のクルクルの飾りと鳥がとても特徴的です。
鳥は東西に3羽ずつ取り付けられているようです。
この遺跡からは絵や記号が描かれた土器など貴重な出土品が発掘されていますが、中でも最も重要な出土品のひとつが「ヒスイの勾玉」なのだそうです。
このあと訪れる「唐古・鍵考古学ミュージアム」で実物を見ることができました。
唐古・鍵遺跡は最終的に衰退し解体されて、纏向(まきむく)遺跡につながるようですが、現在までに遺跡全体の1割ほどしか発掘調査が行われていないとのこと。
調査が進んだとき、纏向遺跡への変遷が詳しく解明されるのでしょうか。その時を楽しみに待ちたいと思います。
奈良学文化講座はここで解散となり(15:45頃)、トラベルイヤホンを返却しました。
希望者のみここから徒歩20分ほどの「唐古・鍵考古学ミュージアム」へ行きました。
唐古・鍵考古学ミュージアム
こちらは「唐古・鍵遺跡」から出土した資料だけでなく、周辺遺跡から出土した埴輪なども展示しているとても充実した施設でした。
ここでも2班に分けて先生が解説してくださり、とても興味深く展示を見ることができました。多数の出土品が重要文化財に指定されているそうです。
前述の「ヒスイの勾玉」もしっかり見ました。弥生時代最大級と最上級の「ヒスイの勾玉」なのだそうです。
緑色に光っていて、とても綺麗で大きかったです。
こちらは弥生人の顔を復元したもの。
前述の史跡公園の情報館で「まつりの風景」の模型を見ましたが、その「まつり」にも使ったと思われる土器類も多数展示されていました。シャーマンの模型も展示されています。
奥には男性シャーマンが見えます。
この土器類には絵や記号が描かれています。
土器の絵や記号にライトを当てて見易いように展示されていました。
こちらで17時頃まで見学したあと解散となりました。
これだけの大人数を長い距離・時間、移動させるのは大変だったと思いますが、スタッフさんのおかげで事故なく無事に終えることができました。
帰りも駅まで送ってくださるほど徹底していて助かりました。
先生も熱心でなおかつわかりやすい解説をしてくださり、とても楽しい充実した講座となりました。
お二人の先生、スタッフさんに感謝でいっぱいです。ありがとうございました。
近鉄・田原本町駅
田原本町駅に着いたのは17時25分頃。すっかり暗くなっていて、駅のイルミネーションがきれいでした。
真ん中のゆるキャラは田原本町公式キャラクターの「タワラモトン」。
頭にさきほど見た建物の屋根(クルクルの屋根飾り付き)を被っています(笑)。
主催の東海旅客鉄道株式会社様、寺澤薫先生、藤田三郎先生、スタッフ様、田原本町様、その他の関係者様、ありがとうございました。