2019年京都 vol.4 ~世界文化遺産 醍醐寺を参拝 西国三十三所巡礼と五重大塔開扉・納経法要~
暫く京都の話題が続きます。
宗派は真言宗醍醐派、ご本尊は薬師如来、開基(創立者)は理源大師聖宝(しょうぼう)です。
平安時代初期の貞観16年(874年)、聖宝は自ら彫った准胝・如意輪観世音菩薩を開眼供養し、醍醐山(上醍醐)を開山、これが醍醐寺の始まりです。
のちに醍醐天皇が自らの祈願寺とし、勅願により薬師如来が祀られるようになりました。
上醍醐薬師堂の薬師三尊像(国宝)は現在、霊宝館に安置されていて、下醍醐金堂(国宝)の薬師如来坐像(重要文化財)は、別の薬師如来像なのですね。
それにしても、醍醐寺は国宝が約7万点、重要文化財が約6500点もあるそうです。
三宝院の受付で拝観料を納め、まずは伽藍エリアへと行きました。
西大門(仁王門)が伽藍エリアの入り口となります。
まずは、国宝の五重塔を目指します。
毎月29日(2月閏年の場合は28日)、醍醐天皇の御命日の法要が営まれ、内部の拝観ができるのです。
この五重塔は、醍醐天皇の冥福を祈るために建立され、完成したのは平安時代の天暦5年(951年)。
以来、地震などで修理はされているものの、創建当時から残る貴重な建築物で、京都府下最古の木造建築物なのだそうです。塔初層内部の壁画も「絵画」として国宝に指定されています。
この法要が営まれるのは、10時30分と13時30分の2回。
それぞれ約1時間ほどですが、この時間のみ五重塔の扉が開かれ、写経奉納をした人は、塔の内部を拝観することができます。
受付とお写経は、五重塔の前にある清瀧宮拝殿で行います。
着いたらすでに法要が始まっていて、お経が聞こえてきました。
受付で1000円を納め、お写経用紙をいただきました。筆などの用具は全て揃っています。
お写経は「十句観音経」で、西国三十三所の巡礼ではおなじみのものでした。
それにしても、相変わらずの下手さ(笑)。
笑ってしまう文字でしたが、これで勘弁してもらうしかありません。
お写経をしている間、五重塔から法要のお経が聞こえてきていて、お経を聞きながらお写経するという貴重な経験をさせていただきました。
書き終えたお写経を持って、塔の後ろに行くと、お坊様がいらして、塗香でお清めしてくださいます。そして、塔の正面にまわり、お写経を奉納します。
下の写真の扉が開いているところが写経を納めるところです。
中では、お坊様が数名いらして、法要を行っていますが、塔の四面の扉が開かれていますので、内部が拝観できます。
心柱の周りに醍醐天皇・朱雀天皇・村上天皇・穏子皇后の御位牌がありました。
そして、心柱の絵や壁画もじっくりと拝観。
ほとんどが消えてしまっていて、はっきりとはわかりませんでした。でも、ほとんどが消えているといっても、わずかに残る、一面の壁画はすごくて、空いていたこともあり、時間をかけてじっくりと拝観させていただきました。
この後は、観音堂を目指します。
御本尊は准胝観世音菩薩で、西国三十三所観音霊場の第十一番札所です。
本来は、上醍醐の准胝堂が札所でしたが、平成20年の落雷で焼失してしまい、こちら下醍醐の観音堂が現在の札所となっています。
観音堂でも、毎日午前と午後の2回観音経読誦会が行われてます。
時間的に五重塔の法要とかぶっているので、今日は行われないのかと思いましたが、お一人のお坊様がお経をお唱えして読誦会は行われていました。
まずはろうそくとお線香をお供えし、准胝観世音菩薩にお参りさせていただきました。そして、お経を聞かせていただきながら、御朱印をいただきました。
醍醐寺ご本尊の薬師如来、准胝観音、五大力尊(不動明王)、神変(役行者)です。
スイーツ巡礼のお菓子を、観音堂近くの「寿庵」でいただく予定だったのだけど、残念なことに営業していませんでした。
なので、全ての拝観が終わったあと、「雨月茶屋」でいただきました。
お抹茶とお菓子です。
お菓子は、五大力餅だと思います。
力強い(?)お菓子でした。
観音堂を後にし、先ほどは飛ばしてきてしまった祖師堂をお参りしました。
五重塔まで戻ると、すでに法要は終了し、扉は再び閉ざされていました。
それにしても、平安時代にこのような建築ができたことに驚きます。
五重塔に見とれていたら、お向かいのお堂に気付きませんでした。
写真の右が真如三昧耶堂、左が不動堂です。
不動堂のお隣には国宝の金堂です。
ご本尊の薬師如来が安置されています。
続いて、三宝院エリアです。
三宝院は、醍醐寺第14世座主 勝覚僧正により創建され、醍醐寺座主の居住する坊です。
庭園は豊臣秀吉が基本設計をしていて、国の特別史跡・名勝に指定されています。
国宝の表書院から庭園を拝観します。
庭園も見どころがたくさん。亀島と鶴島もあります。
左の亀島の五葉松は樹齢600年だそうです。
上の写真の右上、縦長の四角形の石は「藤戸石」。
室町時代から歴代の権力者に引き継がれる天下の名石で、秀吉の命により聚楽第から運ばれたそうです。
正面には三段の滝があります。
瀧が流れる音がとても気持ちよく、暫く聞き入ってしまいました。
表書院にも素晴らしい襖絵があるのですが、撮影禁止でした。
ちょうど今まで使っていた御朱印帳が終わったので、こちらで御朱印帳も購入しました。
醍醐寺と桜が描かれた御朱印帳(2色あり)と桜色の桜柄の御朱印帳があり、迷いましたが、桜色の御朱印帳にしました。
醍醐寺オリジナルの御朱印帳で裏側に「醍醐寺」と入っています。(1200円でした)
醍醐寺は秀吉が「醍醐の花見」をした場所。至る所に大きな桜の木があり、満開の時期はさぞ壮観な景色なのでしょう。次は桜の咲く頃に訪れたいと思いました。