LIFE LOG(小さな幸せ気分)

小さな幸せ気分

~心穏やかな毎日とシンプル、丁寧な日常の風景~

令和元年度「日本遺産」発表&「西国三十三所観音巡礼」が認定されました

 

今日、16件の令和元年度「日本遺産(Japan Heritage)」が文化庁より発表されました。「日本遺産(Japan Heritage)」とは、「日本遺産ポータルサイト」によりますと、

 

「日本遺産(Japan Heritage)」は地域の歴史的魅力や特色を通じて
我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として文化庁が認定するものです。

 

文化財そのものを認定するのではなく、「ストーリー」が認定されます。

 今回発表された中に、「1300年つづく日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼~
」というものがありまして、私も西国三十三所巡礼をしているので認定されて嬉しいのですが、「え?」と思ってしまったことがありまして・・・(笑)

それはなにかと言いますと・・・

 

「日本の終活の旅」とあり、「しゅ、しゅうかつ?」と思ってしまったのです(笑)。
私も巡礼をしていますが、終活のために巡礼しているわけではなかったので、少し違和感を持ってしまったのですが、「日本遺産ポータルサイト」の「認定概要」を読むと納得でした。

 

究極の終活とは,ただ死に向かって人生の整理をすることではない。人生を通して,いかに充実した心の生活を送れるかを考えることが,日本人にとっての究極の終活である。そして,それを達成できるのが西国三十三所観音巡礼である。
日本人は海外の人から『COOL!』だと言われる。そのように評価されるのは,優しさ,心遣い,勤勉さといった日本人の本来の心であり,実はそれは日本人が親しんできた「観音さん」の教えそのものである。観音を巡り日本人本来の豊かな心で生きるきっかけとなる旅,それが西国三十三所観音巡礼なのだ。

 

たしかに巡礼でいただく御朱印は極楽浄土への通行証となるということですが、(実質的な意味の)終活のためだけの巡礼でなくても、その目的は人それぞれで良いのです。

最終的には(実質的な意味の)終活になるとしても、終活を考えていない人が巡礼をしても全く構わないのだし、「なにかのきっかけとなる旅」になるように、多くの人に巡礼していただきたいな、と思います。

遠方などで実際は巡礼できなくても、巡礼の意味を知り、各寺院のホームページなどでその寺院の縁起や観音様のことを知るだけでも、「なにかのきっかけ」になり得ると思いますし、そんな巡礼も「アリ」ではないかと思うのです。


因みに「西国三十三所観音巡礼」とは、法起院のホームページによりますと、

 

養老二年の春、突然の病のために仮死状態にあった上人は、夢の中で閻魔大王にお会いになり、悩める人々を救う為に三十三ヶ所の観音菩薩霊場を広めるように委嘱され、そして三十三ヶ所の宝印を与えられて仮死状態から解放されました。
上人は三十三ヶ所の霊場を設けましたが、人々は上人を信用しなかったので、やむなく宝印を摂津中山寺にお埋めになったと伝えられています。
二百七十年後の永延二年(西暦九八八年)に、花山法皇がこの宝印をお掘り出しになり、今日の三十三ヶ所を復興なさいました。

 

とあります。

「上人」とは、長谷寺奈良県)の開山である徳道上人のことで、養老2年(718)、「生前の悪い行いにより地獄へ送られるものが多いから、功徳を得られるように観音の慈悲を説きなさい」と閻魔大王に告げられ現世に戻されたのです。

長谷寺の近く「法起院」に徳道上人の御廟があり、西国三十三所の番外札所にもなっています。

法起院

 

本堂です。

法起院

 

徳道上人が閻魔大王から宝印を授かり現世に戻されてから2018年で1300年になります。その草創1300年を記念して、西国三十三所御朱印をいただくと記念の特別印を押していただけます。

各寺院で趣向を凝らした特別印なのですが、法起院の特別印がこちらです。

法起院

ご詠歌をいただいたものですが、左上の特別印に注目です。

まさに閻魔大王から徳道上人へ宝印が渡されている場面で、四角の宝印もしっかり描かれています。

(特別印は「西国三十三所草創1300年」の記念事業が終了するまでいただけるようです。)

 

そして、こちらが徳道上人の御廟です。

訪れたのは藤の花が綺麗に咲いている時期でした。

法起院

 

御廟の中へ入らせていただくと、珍しい木がありました。

「多羅葉樹(たらようじゅ)」という名前で「郵便はがき」の語源なのだそうです。

葉の裏に文字を書くと浮かびあがるそうです。

法起院

法起院

葉の裏に文字は書きませんでしたが、雨模様だったので、葉っぱが濡れてさらに綺麗でした。

 

「 いかに充実した心の生活を送れるか」- 究極の終活ですね。